駒沢通りを恵比寿駅に向かっていると、西口手前あたり左側、三菱UFJ銀行前でつわり妊婦とその旦那を三田の共済会中央病院まで乗せることになった。奥さんはつわりがひどいらしく吐きそう、吐きそうと言っている、急を要する事態だ。生まれそう生まれそうであったら私はパニクッでいたであろうが。
普段朝イチ、歌舞伎町周りでほぼ意識のない客が連れに抱えられて乗る時のあの緊張感が車内を襲う。
「すみません、横の溝に紙袋あるんでとってあげてもらえますか?」
こちらは車内でやられてしまうと営業に差し支えるので、必死である。幸いシラフの旦那さんが横にいるので、心強い。旦那さんはすぐにその紙袋のふたを開け、彼女に渡してあげたようだった。
車内はタバコの匂いもあり(私は吸わないのだが)、道中少し戻されたようだが、先ほどの紙袋の中におさまってたようで、こちらとしては一安心。病院についても紙袋を持ったまま二人はでていった。まだまだ出産には時が必要ではあるが、無事に元気なお子さんを産んで欲しいと思う。
さて降ろしたあと、病院の乗り場にはタクシー待ちのお客様がおり、ANAインターコンチネンタルの裏側のほうまでとのことで、病院を右にでて、桜田通りから飯倉の交差点を外苑東通りに左にはいり、麻布台ヒルズの信号を右に入っていった。到着してそのビジネスOLを降ろした矢先、後ろからノックする音がした。開けると茶色いトイプードルを抱えた女性がすぐまた乗ってきた。
さっきは朝イチ歌舞伎でもないのに焦ったぜ、などと思ってたのも束の間、次なる危機が車内を襲うのであった。
「この子が下痢しちゃいましてね、飯倉片町の交差点のほうまでお願いします。ペット病院が近くにあるんです」
そのトイプードルはご主人の両足に四つ足を付いて、車内でライオンキングの様に堂々と立っているのだが、待てよと。下痢してるなら、いつ垂れ流すかわからんのやから、そこはケージでしょ!!(心の声)
このトイプードルには悪気もないし、可愛いので許してやるのだが、車内での粗相だけはやめて頂きたい、頼むぞゲリプのトイプ!
幸いにもここから飯倉片町の交差点はそんなに遠くはない。麻布通りにでて坂を上がっていけばそこは飯倉片町の交差点だ。おそらくワンメーターくらいだろう。
「ご乗車ありがとうございます」
なんとか無事下から出されることもなく、一人と一匹は降りていった、ふぅ。
「またのご乗車お待ちしております」(だけど今後下痢の時はケージに入れて運ぼうね!)心の声でお客様には言えず。。。
今日は上から下から出されそうなピンチが続く日なのであった。
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