タクシー業界の良い所(多め)と悪い所

タクシー業界のこと

 さて、では具体的にタクシー業界の良い所と悪い所を分析してみよう。

【悪い所】

① 毎日200キロ以上都内で車の運転をするので事故や違反のリスクが高いこと。

 これは誰でも思いつくところで、本当に最悪ということもありえるので、ここは本当に気を使う所ですね。会社からは、常にバイクと自転車に囲まれて走ってると思って下さいなんて、研修でいわれたりしますが、言ってる方も聞いてる方も真剣だと思います。月1回の研修では、事故や違反の映像も流されて毎回気の引き締まる思いです。

② お客様に理不尽なことを言われる

 これは、キャラクターなどにもよるのかもしれませんが、どこまで言い返して良いかというのは余り言われないので、言い返せないのはなんともつらいところですね。言い返したりするとクレーム案件になったりしてマイナスなので、相手があんまり理不尽だとなんなんだろうとはなりますね。酔っ払ってるとまたさらに質の悪いのも居ます。それはおいおいブログで体験談を書ければと思います。

 まぁ考えてみてもこの2点ですかね、大きいものは。この2点も俺は問題ないって人はもうタクシーやるしかありませんな。

では次に良い所を見てみましょう。

【良い所】

① 稼ぎが歩合給を伴う

 私はこれまで事務職ばかりでした。なので自分で考えて工夫して売上を上げることの楽しさや、それが給料に反映されることのやり甲斐みたいなことを初めて体験しました。それがこんなに新鮮で楽しい事とは思いも寄りませんでした。

② 休みが結構とりやすい

 正確には、休みを振替し易いってことですね。用事があれば、用事ができれば、都度空いてる日と出番を振り替えればよいのであって、会社員ではなかなかこうは行かないのではないでしょうか。平日連休取って休むことも、休日子どもの学校行事にいくことも、ほぼ自分でコントロールできると言って良いと思います。

③ 稼ぎも悪くない

 これは①と連動するところですが、上手く立ち回ればサラリーマンの平均給与には簡単に行きます。たとえ新卒でも、その位すぐいってしまうので、休みを趣味に当ててそこそこ稼げる仕事としてはナンバーワン位のバランスの良い仕事だと思います。一流企業のそれとはさすがに行きませんが、1,000万行く人もいるので、自分が思っていたより全然稼げる印象ですね。

④ 色んな人と話せる

 それこそ、老若男女、外国人もそれこそ世界中の人々と話す機会に恵まれます。芸能人やスポーツ選手も乗せますね。なので色〜んな話を聞けます。この仕事をしていなければまず話すことのなかった人達から毎日新しいことを聞けます。それが毎日楽しくて、というのは間違いなく魅力です。医学会帰りのお医者様から最新のガン治療のことも聞けます、サウジアラビアの若者から、日本の法制度はいかにしっかりしていることかを聞きます、カミナリに打たれたおばあちゃんからその時のことを聞きます、、、etc。そもそもそれらを書きたくてこのブログを立ち上げたくらいなので。

⑤ 英語が使える。

 ④でいう色んな人と話せるの関連となりますが、都内ではまず間違いなく、1日1人以上は外国人をお乗せします。日本の企業に、英語が得意だからと勤めても、会社に入ったらほとんど使わないや、という企業がほとんどではないでしょうか?ところがタクシーですと、昨今のインバウンド効果によって、アジア諸国、欧米諸国、南アメリカ諸国、アフリカ諸国、中近東から島国まで、世界中の人々をお乗せする機会がありますので、世界中の方々と英語でお話すことができます。そんな仕事他にありますかね?まず無いと思います。英語を仕事で使いたければタクシー業界にくることですね。その位、英語は毎日使います。

⑥ 東京の地理、名所に詳しくなる

 これは東京に住んでいれば何かと恩恵を受けるものだと思います。お客様から、タクシー仲間から、美味しいお店や行楽地、観光地の情報も入りますし、自分でも毎日のように東京の観光地に乗り入れして行きます。美術館や博物館、名所や公園、こんなに東京は見る所があるのかと驚きの日々ですね。東京観光だけでもどれだけ日数がかかるかわからない、それだけ東京23区を深堀りすることができます。それを家族にフィードバックすれば家族でも東京を楽しめます。なんて有意義なことでしょう。

⑦ 運転技術があがる

 やはり月で5000キロほど運転するわけですから、嫌でも運転技術はあがりますよね。特にブレーキングかな、それによりキビキビとかつ素早く移動することを覚えますし、首都高速も沢山のるわけなので、Gがなるべくかからないように早くカーブを曲がれるとそれだけで気持ちがよくなるものです。上手く首都高速のカーブを曲がるブレーキングが決まると、まるでドライバーをマン振りして、フェアウェイを捉えたかような、或いは一発ロングパットが決まった時のような楽しさを覚える事ができます。自分の技術が日々上がっていくことの体感ができるのもタクシーの魅力ではないでしょうか。

⑧ 仕事の自分の成長が体感しやすい

 ⑦にやや似てるかもしれません。そう、ドラクエを1回でもやった人ならわかるかもしれない、あのレベルアップした時のあれです。

テレレレッテッテッテーン

Tabioはレベルが上った。

ANAインターコンチネンタルのつけ待ちを覚えた。東京駅八重洲口の並び方を覚えた。車の手入れの初歩を覚えた。

 このように、新人から駆け出してから毎日のように、ホテルや病院のつけ場所や駅の乗り場、幹線道路の名称、裏通り、近道、ランドマークとなる様々な建物等々、日々何かを学んで覚えていくので、毎日自分の成長を体感できます。これはどんな仕事をしてる人でもみんな感じると嬉しい、幸せなことではないでしょうか?それを日々何かしら感じる事ができます、少しずつですが覚えていきます。生き甲斐とは言い過ぎかもしれませんが、日々自分の成長を体感することができる、そんなことも実はタクシー業務の魅力の1つなのです。

⑨ ギャンブル性があるため脳汁が出る

 脳汁がドバドバ出ることが、1日1回はあります。都内を適当に流していて、スーツケースを持った人をお乗せします

「羽田空港まで、第1ターミナルで」

じゅわっ、、、脳汁がでます。

 ホテルにつけ待ちをします。外国人が言います

 「なりーたえあぽーと、プリーズ」

ドバドバドバッ。脳汁がでます。

 夜中銀座でお乗せします。

「遠いんだけど千葉の〇〇までいい?」

「鎌倉のほうなんだけど」

「越ヶ谷って知ってるかな」

「川口湖まで。。。」

 もう高速走りながら脳汁ダクダクです。ネギダク汁ダクなのです。

 1日で見ますと勿論毎回こんな遠いお客様ばかりではありません。500円の人もいれば1,500円から数千円の人もいるし。そしてその中のどこかに脳汁ドバ客が潜んでいます。でも乗せるまでは誰がそれなのかはわかりません。自分では選べないからです。

 昼間にこんなところから?というところで、いわゆるロングとか万しゅう(一万超えのロング)がでるのです。ちなみに我々は「でる」というよりは「ひく」という言葉を使います。「成田ひいた!」というやつです。いわゆる当たりをひくってやつですね。なので、ロングをひくということは、パチンコやパチスロでいつ来るかわからない大当たりを体感する感覚に等しいのです。それが毎日1回くらいあります。これはやってみないとわからないし、ギャンブル好きにはたまらない業務形態だと思います。通常の仕事をしていて、なかなか仕事中に脳汁ダクダク状態になれませんよね、それが脳汁ダクダクハイテンションになれるのがタクシー乗務なのです。

⑩ 人間関係のストレスがほぼゼロ

 タクシー乗務員は皆がそれぞれ一国一城の主のようです。そのため、お互いに余計な干渉はしないし、それぞれが提携してやる仕事はないことから、相手とのコミュニケーションによるストレス、上司からの不当とも言えるような圧力もないのが通常です。

 その為みんながそれぞれありのままの自分で良い距離感で人間関係が保たれています。だからタクシー業界の人はみんないい人に見えてきます。んでやはり、基本的にみんないい人です。人間本来の姿のようです。企業によってはその風土によって、そこで働く人間そのものを変えてしまうようなこともあると思います。タクシー業界はその逆で、みんな色々教えてくれるしいい人が多い印象です。

⑪ 業務においてゲーム性が高い

 私は釣りが趣味です。バス釣りにハマってた時もあれば、今では釣って楽しい食べて美味しい海釣りにハマっています。

 釣り好きな人はそのゲーム性がタクシーと同じ事に気づくかもしれません。タクシーでお客様を探すのは釣りに似ているのです。漁師と言ってもいい。

 漁師は自分の漁場をもっていて、それは仲間うちにも漏らしません。漁場に入る時間も潮の状態や日によって違うでしょう。タクシーでも、どの時間帯にどこに良い客がいるか、乗務員のセンスでそれぞれ違います。あそこよかった、ここもロングでた、仲間うちで話していても本当の肝は話していないかもしれません。

 いまこの時間でここに連れてこられたけど、ここからどこに客を探しにいくのが正解なのか、空車だらけのタクシーの中でどうやってお客様を乗せることができるのか、これはバス釣りでどこをどう攻めて広大な湖からバスを釣りあげるのか、考えることに似ています。そして、ここは敢えて方南通りを右だろう、ここは逆に麻布十番かも、それが当たり手を挙げる人を見つけた時、あなたは小さな達成感を感じる事ができます。それを日に何回も感じることができます。それがタクシー乗務員なのです。

 以上いかがでしょうか、あくまで個人的な感想ですが、私はタクシー研修中にこれらをことごとく体験して、今後ずっとタクシー乗務員をやって行きたい、そう思うようになりました。稼ぎや歩合のことは、実はこれは東京23区と武蔵野市、三鷹市という中で働くタイプのものだけです。それ以外の地域のタクシーの業務はそもそも流して客を乗せることがないので、少し違うことになります。その為あくまで限定的であることも心に留め置いて欲しいものですね。それではサバイビングしてるうちはタクシー乗務頑張り続けたいと思います。

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